た行の研究者

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4件
  • 自然科学系 環境科学領域

    数理的手法を用いた生物集団の構造と進化の研究

    高須 夫悟 教授
    段階
    基礎
    実証化
    実用化準備
    社会実装

    数理の視点から生物学を研究しています。生物個体の増減(個体群動態)一般に関する数理的研究です。

    アピールポイント

    物理学などでは数理的手法は無くてはならない研究手法ですが、同じ手法を生物学に適用し、生物集団の構造(空間分布など)と進化(適応形質のダイナミクス)に関する数理的研究に取り組んでいます。個体群動態は病害虫・感染症の制御などへの応用も可能な研究分野です。また計算機の中で仮想的な生物個体の出生・死亡・空間移動・適応形質の変化などを実装する個体ベースモデルを効率的にシミュレートするためのアルゴリズム開発にも取り組んでいます。

  • 生活環境科学系 食物栄養学領域

    食品の機能性と嗜好性に関する研究

    高村 仁知 教授
    段階
    基礎
    実証化
    実用化準備
    社会実装

    さまざまな食品の機能性(抗酸化成分など)や嗜好性(におい、味、物性など)について、調理加工過程における変化を中心に研究しています。現在は、野菜の抗酸化成分やにおい成分の調理加工による変化、グルテンフリー米粉パンの製パン性などについて研究を進めています。

    アピールポイント

    食品には、さまざまな成分が含まれていますが、生のまま食べるとは限らず、調理や加工を行ってから食べることが普通です。そこで、食品に含まれる機能性成分や嗜好性成分が、調理や加工の過程において、どのように変化するのかを研究しています。また、小麦の代わりに、米粉でパンを作ると、グルテンが入っていないのでうまく膨らまず、おいしいパンを焼くことができません。そこで、米粉だけでおいしいパンを焼くための方法について研究をしています。

  • 生活環境科学系 食物栄養学領域

    グルテンフリー食品の開発および品質改善に関する研究

    高村 仁知 教授
    段階
    基礎
    実証化
    実用化準備
    社会実装

    近年、セリアック病やグルテン過敏症、小麦アレルギー患者の増加、さらには健康志向の高まりを背景に、グルテンフリー(GF)製品の需要が拡大しています。その中で、日本の主食であり、唯一自給可能な穀物である米を活用した米粉パンの研究が進められています。しかし、米粉パンはグルテンを含まないため、小麦粉パンに比べて膨化性の低下や保存中の品質劣化が課題となっています。現在市販されている米粉パンは、食品添加物や新規材料を使用することで品質向上を図っていますが、これに伴う高コスト化が新たな課題となり、製品の市場拡大を制約しています。
    これらの課題に対し、我々の研究グループは、米の特性である「デンプンの糊化」による増粘作用に着目し、製造工程において高温水を用いる「高温水添加製パン法」を開発しました。この製法により、特別な材料を使用せず、加水操作の工夫のみで生地に強固な骨格を形成し、膨化性を向上させることが明らかになっています。さらに、この方法はパンの老化を抑制する可能性も期待されています。

    アピールポイント

    「高温水添加製パン法」は、穀物が本来持つ調理特性を活かした、簡便かつ費用対効果の高いGFパンの製造技術です。従来の研究では、GF製品の品質向上を目的に、増粘剤などの添加物や新規材料の探索が主流でした。本研究では、米粉パンの製造工程そのものに着目し、技術的アプローチを通じて製造コストの削減と品質改善の両立を目指しています。
    さらに、この製パン法は米粉に限らず、デンプンを主体とした多種多様なGF穀物粉にも適用可能です。そのため、他の穀物の新たな用途開発を促進し、食の選択肢の多様化に貢献できる可能性があります。
    また、近年、穀物に含まれる機能性成分が注目されており、それらの摂取による生活習慣病予防効果が報告されています。穀物粉を主成分とするパンの開発は、栄養価の高い主食を提供する新たな可能性を拓くものであり、穀物粉の新規用途としても期待されます。これにより、国内の米や穀物の消費拡大を促し、農業・食品産業の発展や国民の健康向上にも寄与すると考えられます。
    <主な研究テーマ>
    1. GF穀物粉に適した製パン法の開発
    各種GF穀物粉の物性に基づき、最適な製パン技術を検討・開発することで、高品質なGF製品の実現を目指しています。特に、穀物デンプンの糊化温度やゲル化特性を応用した製法の開発に取り組んでいます。
    2. GF製品の老化抑制に関する研究
    GF製品の保存中の品質劣化は、主にデンプンの老化によって引き起こされ、食感や風味に大きな影響を与えます。これに対して、焼成条件や保存条件の最適化など調理過程によって老化抑制に寄与する要因を探索しています。
    3. 食品企業との共同研究によるGF製品の開発
    産学連携を通じて、研究成果の実用化を目指したGF製品の開発を進めています。消費者ニーズに基づいた新しいGF製品の研究を推進し、産業界との協力を強化することで、社会的課題の解決と未利用穀物や地域資源を活用した持続可能な食品開発を目指しています。